被災蔵から復興、感謝へ
1845年(弘化2年)、石巻で海産物と穀物問屋を営んでいた澤口家の2代目・安治が、造り酒屋を譲り受けて創業致しました。酒名は水を祭った“墨廼江の神”に由来し【墨廼江/すみのえ】と名付けられました。
2011年3月11日、あの未曾有の東日本大震災では旧北上川をさかのぼって津波が押し寄せ、蔵の中まで浸水。機械類が全滅するなど大きなダメージを受けました。しかし、震災直後から様々な方々の協力を得て、仕込みの途中だったもろみをどうにか搾り、出荷にこぎつけることが出来ました。「被災蔵として感謝したいのは、復興支援の一環としてであっても、まずは飲んでいただき、墨廼江を知ってもらえたことです。さらに言えば、飲んでもらえたということは、商売としても成立したということです。いまこうやって酒造りを続けていられるのはみなさんのおかげです。一生かけて恩返しをします。
まずは品質のさらなる向上に努め、目標とする『きれい』で『柔らかく』『気品漂う』酒をより深く掘り下げて造っていきます。そして故郷の酒文化をしっかりと守り伝えていくという志を持って醸します。
6代目社長兼製造責任者 澤口康紀