2016年8月22日

黒龍「蔵元紹介」

味わうという一瞬に、知恵を絞る

創業1804年(文化元年)。初代蔵元 石田屋二左衛門以来、私たちは黒龍酒造ならではの清酒を追求してきました。それは、「良い酒を造る」という簡潔な理念を守り続けてきた歴史でもあり、一方では、それぞれの時代に合わせて常に新たな変革を繰り返してきた軌跡でもあります。 黒龍酒造にとっての「酒門の会」とは、まさしく私たちが新たな変革に挑戦する上での重要なステージとなっています。弊蔵との所縁深く産声を上げた酒門の会は、錚々たる顔ぶれの地酒専門店の集まりです。数多くの地酒の中から秀逸な1本を見極めるその確かな味覚、新たな清酒の市場を切り拓く創造力を兼ね備えたメンバーに、これまで幾度となく私たちの新たな挑戦を受け止めてもらってきました。 挑戦のテーマは、新しい酒米、コストパフォーマンス、蔵初めての純米酒など、その時々で黒龍酒造の目の前に立ちはだかっていた大きな課題です。時には1回の発売で姿を消した商品もありましたが、酒門の会の皆様に新たな商品を鍛錬してもらうことで、主力商品に育て上げ、そして蔵としても大きな経験を得ることができました。 「味わうという一瞬に、知恵を絞る」 私たちが大切にしているこのメッセージを、これからも「酒門の会」と共に醸成させ、飲む人、飲む場所にまで思いを巡らせ、時代を超えて愛される清酒をご提案していきたいと思います。

「かたくなまでに、こだわり続ける」

1804年に石田屋二左衛門が酒造業を始めた永平寺町松岡は、藩が酒造りを奨励産業に指定するほど良水に恵まれた地でした。その福井県最大の河川「九頭竜川」の伏流水は、昔から日本3名山のひとつとして仰がれている霊峰白山山系の山々を源とし、長い時を経て酒蔵に辿りつきます。「黒龍」の銘は、この九頭竜川の古名「黒龍(クツレウ)川」に、また「九頭龍」の銘もこの母なる川に由来しています。 篤農家により丹念に育てられた酒米、九頭竜川の伏流水、そして蔵独自の保存酵母にこだわり、職人の手による酒造りを継承。7代目蔵元が渡仏の際に学んだ技術を応用した「黒龍大吟醸 龍」を昭和50年に発売し、当時1升5,000円という価格と、大吟醸酒市販化への取組みが話題を呼びました。また創業200年の節目には、燗専用の大吟醸酒「九頭龍大吟醸」を業界に先駆けて発売し、「冷や良し、燗良し」の日本酒文化を発信しています。 酒質同様に注力してきたのが、商品のボトル、ラベル、化粧箱等のデザインです。日本を代表する稲村雲洞、吉川壽一氏の書が描かれた越前和紙の酒ラベルは、一本一本丁寧に手作業で仕上げられ、他にも越前織のラベルや、越前漆器の化粧箱など、地元の意匠を凝らしたパッケージにこだわっています。 そして、日本の伝統文化である日本酒、その中でもより良い物を追及し、本物を後世に残していきたいという想いは、今や酒造りのみならず、大切な原料である酒米作り、そしてお客様が味わう一瞬にまでめぐらされています。