こんにちは。
本日は、10月より発売中の酒門の会限定酒、
「麓井 特撰 700K小仕込み きもと純米原酒」をご紹介します。
昨年も発売のこの商品ですが、
「700K小仕込み」「きもと造り」、2つのポイントに
フォーカスを絞ってオススメしたいと思います。
「700K小仕込み」というのは、このお酒を造る際の
「総米」(使用する米の量)が700kgである、ということ。
700kgというと、相当多いと思うかもしれません。
でも、お酒の仕込みにおいては、かなり少ない量なんです。
純米酒や純米吟醸は、大体1500kg~1200kgで仕込むことが一般的です。
※蔵元の規模や、方針にもよります。
500kg~700kgの仕込みとなると、大吟醸クラスの米の量なのです。
仕込み量が少ないということは、造りの最中の温度管理がしやすく、
目標とする酒質へと持っていきやすいということになります。
この「700K」は純米酒でありながら、仕込み量を小さくすることで、
「旨味がありながら、綺麗な酒質」を実現しているのです。
もう一つのポイント、「きもと造り」ですが…日本酒の製造工程と
併せて説明をするとわかりやすくなります。
日本酒は、極めて簡易的に説明すると、
「1.米を麹にして、糖分を得る」→
「2.糖分を清酒酵母菌によってアルコールに変える」
ことで出来上がります。この「2.」の過程のはじめに、
「清酒酵母菌」を大量に増やす必要があります。
その為には、「他の関係のない菌や微生物」を抑えなければいけません。
そこで活用されるのが、「乳酸」です。
「乳酸」はその性質上、上記の「他の関係の無い菌や微生物」の
繁殖を防ぎますが、「清酒酵母菌」だけは乳酸に強いのです。
お酒造りにおいて、「乳酸」の重要性がおわかりいただけると思います。
この「乳酸」をどう得るか?
現在の多くの蔵元では、「乳酸」を購入し、使用しています。
※これを「速醸もと造り」といいます。
そして、きもと造りでは、「乳酸菌」によって「乳酸」を得ます。
「乳酸菌」は「乳酸」を生成しますが、それ以外の有機酸なども
生成し、それが複雑な味わいのもとになります。
麓井酒造は、「全量きもと造り」の蔵元ですので、
もちろん「700K」も「きもと造り」。
ゴツさの無い、上品な味わいの「きもと」です。
お家芸の「きもと造り」かつ「700kg小仕込み」で
丁寧に仕込まれた「700K」。
お見かけの際は、その味わいを是非
お試しくださいね。